タイタニックでサンデーを

沈みゆくタイタニックでも、サンデーパフェはサンデーだ。

言葉を泳ぎ、海を詠む

 

幸せを祈る貴方の手に触れて

見送る列車どうか元気で

 

寂しさを隠して渡す春の花

背を向く君が空に羽ばたく

 

 

近況:短歌がマイブームだけどメモ欄に溜まる一方なので、初めてブログで詠んでみる。

 

今日は先輩の送別会だった。初めて会社に行った日に私を面接してくれた人で、入社してからも私の至らない部分を何度もフォローしてくれた。怒られたことは一度もなかった。優しくて可愛くて面白くて、言葉がとても柔らかい人。

 

言葉は誰もが持ち合わせているからこそ扱いが難しい。言語が違えども、伝え方の手段が違えども、生きていて気持ちが生まれいずる限り言葉は存在している。そして、自分の文章を世に発信する仕事を選ぶほどにやっぱり私は言葉が好きで。

 

一言で人となりがわかる、と言えば大袈裟かもしれないがときにそれほどの威力を発揮する。人間はコミュニケーション手段として2000年以上も言葉を使ってきたから、今後文明がどれだけ発展したとしても、言葉が失われることはきっとないだろう。

 

先輩がシンガーソングライターだと知ったのは、入社してから半年ほど経った時だった。彼女の曲は検索すればすぐに見つかって、その曲に、歌詞に、あっけなく救われた夜が確かにあった。

 

そして同時に、なんでこんな素晴らしい才能の持ち主がこの会社にいるんだろう?と疑問に思っていた。きっと近々辞めてしまう日がくるんだろうと。その日がとうとう訪れただけだった。随分前から分かっていた未来だった。

 

先輩の好みを考えて、プレゼントを買って渡した。紙袋の底に小さな手紙を忍ばせたけど、気づいてくれただろうか。帰り際にハイタッチをして、また会いましょう、と言って去った。経験上、この言葉が実現することはきっとないのに。

 

大人になって出会った、数少ない尊敬できる人だった。良い人に出会った記憶は、大事な引き出しに鍵をかけてしまっておくことにしている。苦しくて燻ったときにもう一度、奮い立たせる薪になるから。